【ニッポンの音楽 Vol.2】”箏曲”ってなんて読む?

みなさん、こんにちは。藤重 奈那子です!

Vol.1をまだ読んでいない方はこちらから!

Vol.1では簡単にご紹介しましたが、今回は私が勉強している『箏曲(ソウキョク)』について深掘りしていきます!!

みなさんは “おこと” と聞くとどの漢字を思い浮かべますか?

琴?筝?箏?

きっと1番親しまれている漢字は『』ではないでしょうか?

しかし、みなさんが一般的に思われている “おこと” とは、その漢字ではありません

『琴(コト・キン)』という楽器はもちろん存在しますが、「源氏物語」で登場したりする日本固有のものになります。ちなみに光源氏は琴(キン)の名手だったそうです。

七弦琴

正しくは『箏(コト)』という字を用います。箏は中国から伝来し、日本で独自に発達したのちに現在の『箏曲(ソウキョク)』となりました。

それなのに何故『琴』という漢字が一般的になっているのでしょうか?答えは単純!『箏』が常用漢字ではなかった為です。新聞やその他雑誌など様々な媒体で、『箏』という漢字を使えないことが多く、このように誤解が広まってしまいました。

今では私自身も親しみを込めて『琴』をあえて使ってしまう時もたまにありますが、是非今一度『箏(コト)』と覚えてあげて下さい。

さて、話は戻りまして…..

箏曲(ソウキョク)とは、①と②地歌三味線、③の3つの事を指します。現在ではお箏のみを弾くという方もいらっしゃるかと思いますが、実は我々が昔から伝わる『古典曲』と呼ばれるジャンルの曲では、箏と地歌三味線と歌が密接に絡み合った合奏をします。そのため、この3つを勉強することが非常に大切となってきます。

たとえば現在の箏曲(ソウキョク)では、箏の独奏、二重奏、三重奏〜オーケストラ地歌三味線と箏の二重奏、三重奏(歌有無ともに存在)など様々な形態での演奏があります。

これらに加え、他の楽器との合奏など多岐に渡った楽器編成の曲が存在しており、今も新たな曲が誕生し続けています。

箏と地歌三味線、歌についてご紹介します!

箏は、桐の木に13本の弦が張られています。それらを右手の親指・人差し指・中指の3本に箏爪と呼ばれる道具を付け、演奏します。大きく分類すると生田流・山田流の2つの流派があります。(またこのことについても詳しくお話したいと思います)

地歌三味線

地歌三味線とは、箏と一緒に演奏する三味線であり、大きな撥(手に持つギターでいうピックのような物)を使って、伸びやかな音を出します。

三味線の元祖は琵琶とも言われ、貿易の盛んな堺で広まったとされています。その琵琶から三味線に改良され、地歌三味線となりました。三味線は一つではなく何種類かあり、その中でも地歌三味線は1番歴史の古い三味線です。

地歌は琵琶法師が説話を語るイメージに少し近いです。歌の内容は、古文の世界で登場する時代の人々の恋愛や、万葉集を始めとする和歌、または能や長唄など日本その他の芸能文化の演目をアレンジした物が多いです。発声は基本的に地声で性別に関わらず同じ音域を出します。

箏曲の古典曲『石橋(しゃっきょう)』

和楽器集団鳳雛による演奏。私も右端で地歌三味線を弾いています。

Vol.2いかがでしたでしょうか?

これからも皆さんの元へ邦楽の良さをお届けしていきます!次回もお楽しみに!

次回は、流派と楽器の素材について!