【オーストリア留学Vol.1】いざ、”音楽の都ウィーン”へ! 伴奏合わせはぶっつけ本番?!

初めまして、クラリネット奏者土屋陽平です!音楽の都ウィーンで留学していた頃の僕の実体験をご紹介させていただきます♪
2015年9月にウィーン私立音楽芸術大学へ入学しました。参考までにご覧いただけたら幸いです!

ウィーンの音大に留学するまで


海外の音大受験で最も大切な事は、「どの学校に行きたいか」ではなく「どの先生に教えてもらいたいか」です。それさえハッキリしていれば事前にやることが明確に見えてくるので、まず初めに「先生探し」から始めましょう。

  • 先生探しについて

方法は簡単で、CDを漁ってこれだ!という演奏をしている奏者を探すか、国内で開催されるマスタークラスにとにかく行きまくることです。(可能であれば受講してください!)
そして目当ての先生が見つかったら、どんな方法でもいいので直接コンタクトをとりましょう!(メールでも直接でも)
海外の先生方は積極的に学ぶ姿勢のある生徒が大好きなので、まず嫌がられることはないですよ。

コンタクトをとる際の言語は、先生の母国語に合わせずとも英語で大丈夫です。
とにかくあなたの演奏が好きで、あなたに学びたいという意思を伝えましょう。
そこからの展開は先生によって違いますが、語学資格をいつまでにとるようにとか、
試験の日程など優しく教えてくださる方が殆どだと思います。

  • 語学について

そしてもう一つ大事なことが「語学」ですよね。
誰しもがその壁にぶつかり、留学をあきらめる人も多いかと思います。
でも心配いりません。中高と英語の平均点が40点ほどだった自分でもできたので、誰でもできます!

自分は大学3年生から週1回語学学校に通っていました。
赤坂にあるゲーテ・インスティトゥート東京というドイツ語の学校です。
日本にあるドイツ語学校の中で最もポピュラーであり、東京、大阪、京都と全国に3箇所あります。

最初の1年間通った感想としては「難しすぎて全然分からん!」という感じでした。でもそれで大丈夫です。
語学というのは急に身に付くものではなく、知らないうちに自分の中に蓄積されていくものなので
めげずに通い続けてください!

留学するうえで、多くのドイツ語圏で求められる語学資格はZD(B1-Zertifikat Deutsch)試験に合格することです。
ゲーテ・インスティトゥート東京の場合、コースがA1.1 A1.2 A2.1 A2.2 B1.1 B1.2 B1.3…と段階を経ており、ZD試験はB1.3を修了相当のレベとなります。
(自分の場合はB1.2を修了した時点で試験を受け合格したのであくまで目安です!)

もちろん現地の語学学校に通うという手段もあります。
その場合授業は英語で行われるのでそこだけ注意が必要です。
ですが、現地の語学学校はテスト時に辞書が持ち込み可能だったり(日本は不可)
試験には通りやすいと友人が話しておりました。
ちなみにオーストリアはビザ無しでも日本人なら半年滞在可能ですので、通いやすいです!

  • 入試準備

さて、先生も見つかり語学も勉強したらいよいよ入学試験ですね。(試験に合格してから語学を勉強する方もたくさんいます!)
自分はウィンターゼメスター(秋入学)の試験を受けたので、願書提出期限が2月の初旬、入試が4月末でした。
もちろん学校によって違うので、学校のHPを見るか先生に直接聞いてください!

自分の場合、入試の際に送る書類は以下でした。

・証明写真
・パスポートの写し
・試験で演奏する曲目のプログラム
・履歴書(日本のフォーマットではなく、現地のフォーマットに合わせて作成してください!)
・Motivationsschreiben(いわゆる志望動機を書く紙です。なぜこの学科を受験したのか、
ここで何をしてどうなりたいのかなどを書き連ねます。フォーマットは調べれば出てきます!)
・卒業証書(原本のコピー+公認翻訳士にドイツ語に翻訳してもらったものを添付しました)
必要な書類は大学のHPに載っています。

それらが受理されればいよいよ入試です。次は入試の内容をお話したいと思います。

  • 入学試験

自分が受験したのは旧ウィーンコンセルヴァトリウム私立音楽大学・現ウィーン私立音楽芸術大学(在学中に名前が変わりました)の学士入学試験です。

試験内容は
・きわめて簡単な新曲視唱1曲(日本の音大のソルフェージュ試験が難解なので海外のソルフェージュ試験は余裕です)
・事前に決めた3曲のソロ曲(伴奏者との事前の合わせは無し、大学側が用意したコレペティとのぶっつけ勝負です)
面談
でした。

新曲視唱に関してはこの中から選んでと一枚の紙を渡され任意の調を選択できました。
全て8小節ほどの簡単な課題でしたが、現地の受験生は頭を抱える者も多いとか…
ソロ曲に関してはコレペティが癖の強い人もいるので、どんなテンポにも対応できるよう練習しておいた方がいいです。
面談は英語かドイツ語か選択できました。事前に送ったMotivationsschreibenの内容を暗記しておくといいです。

と、ここまで自信満々で書き連ねてまいりましたが自分は一度試験に落ちてます…
あきらめずに先生にアタックしたところ、Certificate of Performance(日本で言うところの別科)
という学科が新しくできたのでそっちを受けてみないかと言われ、無事に合格しました。

後日談ですがアジア人をあまりとらない先生だったらしく、一度落として本気度を測ったのかもしれません。
海外の音大ではよくあることで、いかに事前にコミュニケーションをとって気に入られるかが本当に大事です。

さていよいよ9月に入学となるのですが、入学までのビザ取得から住居確保までのあれこれが大変です。次回もお楽しみに!

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次回はウィーンでの暮らしの様子や学校での生活についてのお話をお届けします。
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