【音大生の就活事情 Vol.3】「音大生ってとにかく面白い人が多いと思うんです」トロンボーン専攻が様々なご縁でたどり着いた就職先。”管楽器専門店ダク”

音楽のおしごと編もどうぞ!

管楽器専門店ダク 入社3年目 石橋諒(いしばし まこと)さんにお話しを伺いました!

普段の仕事の様子

ーー石橋さんはなぜ就職をしようと決意したんですか?

石橋さん: あまり参考にならないと思うのですが、なぜ僕がダクに勤めるようになったかというと、
ダクは自社ビルが新大久保にありまして、金管楽器フロアと木管楽器フロアでそれぞれ売り場があるんです。そこの地下にはホールがあるんですが、そこのホールで大学2年生の冬くらいから、社員さんのツテで「バイトしてみないか?」と声をかけられて、バイトをしていたんです。でもその時にはダクに入社するつもりは全く無かったんです。“トロンボーンでご飯を食べていけたらいいな”って思っていたので。
大学卒業後は、フリーランスでやっていけたらなと思っていたので卒業までダクのホールでバイトを続けていました。半年ぐらいフリーランスをやっていくなかで、やっぱり音楽で食べていくのは凄く大変なことだなって思って、そこできっぱり楽器を辞めちゃおうと思ったんです。そうしたら、辞めようと思ったタイミングで、ある日のバイト終わりに「これからどうするんだ?」ってダクの店長さんが声をかけてくれたんです。「楽器辞めようと思っているんです」って話をしたら、「じゃあうちでどう?」と言ってくださってダクに入社できたんですよ。なので、一般的な就活の、エントリーシートを書いたり、履歴書を書いたりっていうのを僕は何もせずに会社に勤めさせていただく事になったので、凄く人に恵まれた人生だなと思っています。

ーーいわゆる”就活”の経験はないんですね?

石橋さん:そうですね、まったくしていなかったですね。大学では、一般就職希望の生徒には就職支援のゼミみたいなのはあったそうなんですが、僕は楽器で食べていけたらと考えていたのでそういうのは全く受けていなかったです。

ーー大学内で就活組はどれくらいの割合でしたか?

石橋さん:恐らく3割くらいだったと思います。そのうちの2割は学校の先生で一般企業(音楽系の会社も含めて)への就職は1割ほどだと思います。

ーーダク以外への就職の選択肢は石橋さんの中であったんですか?

石橋さん:元々、楽器をきっぱり辞めた時は普通に一般就職をしようと思っていたんです。出来るとは思っていなかったんですが、“音楽とは関わらなくても別にいいから稼がないとな”と思っていたんです。ですが、昔から楽器を触るのはもの凄く好きで、僕は中学からトロンボーンを吹いているんですけど、地元の楽器屋さんに行って、いろんなメーカーの楽器のカタログを集めることも凄く好きだったんです。だから楽器に囲まれて仕事を出来るのであれば、それはすごく幸せなことだなって思って、ダクの方から声をかけてもらった時は「是非」とお答えしたんです。
地下のホールでバイトをしていたので、社員さんたちや会社の雰囲気もなんとなく知っていましたし、ダクっていう楽器屋さんが日本的に名の知れた会社っていうのもあり、お誘いを快く受けました。

普段の仕事の様子

一ー本当にご縁があり、ダクへの入社という形になったんですね。

石橋さん:そうですね。これは本当に不思議な話で、元々僕は回らない寿司屋さんでバイトをしていたんです。ですが、物事を覚えるのがなかなか苦手で…。よく怒られていて、クビになっちゃったんです(笑)それで、SNSで「クビになっちゃったよ~」とつぶやいたら、たまたまフォロワーさんでダクに勤めている1つ上の先輩がいて、「じゃあうちでバイトする?」って言ってもらえてダクでバイトをする流れが始まったんです。だからクビになった~とつぶやかなかったら、ダクで働くことはなかったんです。ダクは基本的には一般でアルバイトや社員を募集をしていなくて、音楽家の方からのご紹介や修理の専門学校からの卒業生が社員になっています。なので、本当に周りに助けられ、恵まれているなと感じています。

ーーダクの職場の雰囲気は?

石橋さん:やはりお客様のことを一番に考えて、みなさん働いているなと感じています。販売としては当たり前のことかもしれないですけれど、明るく、お客様を飽きさせないようにと感じています。


ーーダクで働いていて身についたことはありますか?

石橋さん:僕は凄く人見知りな性格で、大学卒業して今の会社に入るまでは初対面の人が苦手で、自分から話すことが出来ない性格だったんです。それが入社してから、店員として、自分から話せないとあまり魅力的に感じないじゃないですか。だからとにかくお客様と沢山会話をして、ただ話をするだけではなくて面白い話もできたほうが良いとも思うので、そういったことも心がけていました。でもそれが入ったばかりの時はすっごく苦手でしたね。周りのスタッフはお客さんの心を上手く掴んでいて、楽しい会話をしていて、僕がお客様の立場だったら凄く楽しいんだろうなって、感じていました。だからそういうのをマネて、コツを掴むようにしました。それでだいぶ会話もいろいろなことが話せるようになったりと、凄く大きな変化だなと感じます。

ーー就職を考えている音大生へのアドバイスをお願いします!

石橋さん:音大生ってとにかく面白い人が多いと思うんですよね。普通の大学生とは全く違うような生活を送っているわけじゃないですか。周りにも、普通とはかけ離れた生活をしている人がありふれている思うんです。だから音大にいる4年間というのは、普通の大学生には感じられない、経験できない4年間だと思うんです。それを有効的に使えればいいのかなと。音大出身っていうのは興味を持ってくれる人は凄く沢山いると思います。だからそれを逆手にとって、利用して、うまく話せたら面白いんじゃないかなと個人的には思っています。先生、同級生、先輩、後輩との繋がりを大事にして大学生活を過ごしてくださいね。応援しています!